合成課の一日は長い

　クロマトの結果が変わらなかったので　また24時間かけて試料作り直しだそうで
　早くも先が思いやられます^p^




　芳香環と官能基でガッチガチの物質を結構な数の試薬と合成用溶媒で弄り倒しながら
　目的物を合成して
　長時間をかけて必要物質だけを高収率で回収する
　その複雑に絡み合った合成過程の下調べと
　似たような実験作業の繰り返しがメインとか

　いえーこれで来年は残業イヤーだね☆

　何処に行っても難しく大変なのは同じなんだと考えていたので
　理解に苦しむ無機重視の研究室と
　微量の培地調整と環境調整のブレで結果が壊滅的なものになる微生物系は外していたのだが
　俺悲しいくらいぶきっちょなんで...
　それ以外は特に悩まなかった
　今思い返せばすごいめぐり合わせだったナァ

　どんな先輩がいてどういう教授でって言うのも重要だとは聞かされていたけれど
　どうせ社会にでたら多種多様な人と関わらなきゃならんのだから考えるだけ無駄だなーとか
　それでも教授の先生としての面だけは知っていたのでちょっと反映させたけれど
　基本的には何処につくかわからないように希望を振っていて
　結果コレだからナァ
　夢なんて志望なんてとか言っておきながら一番化け学らしいところに落ち着いた
　危険物管理の資格を持った教授がいて薬品は大体ウチの部屋にそろっているらしい

　中間発表とか見ていて　研究の様子を夢想し
　やっぱり化け学人間なのかなァと
　他の部屋のテーマが文字通り無機的なものにしか見えなくて
　微生物系は別として　有機な世界というのは自分に合っている

　心配していた先輩の顔ぶれも
　これまた泣きたくなる位にやりやすい
　特に自分が今ついている先輩の存在は大きかった
　先輩の履歴書には立ち回りのよさを短所に「おせっかいと思われる事があります」と書いていたけれど
　他言できぬ状況下で研究室入りして頭を抱えていた俺にとって先輩の存在は数少ない希望だったんだ
　先ずは目線から前向きになれるように。



　院に行くものと思われていたらしく
　院に行くどころか　来年度末にこの状況を後輩に説明しなきゃならん事で頭が一杯なんです
　留年とかしてらんない
　俺は九州を出たいんだ
　少なくとも気軽に国内を飛びまわれるくらいには
　今は自由とはいえど　学生的には資金源からして回数制限つき
　学生生活は楽しかった
　けれど強いて言うなら九州でキャンパスライフをおくることにデメリットがありすぎた
　標準的な環境化学の大学が北九州市立大か宮崎大しかなかったんだ
　政令指定都市の近未来的構想の影響力は　希望にすがっていた底辺の俺にはまぶしすぎた



　まァ結局宮崎大なんですけどね^p^
　でもね
　センスがありゃべつだけど
　高校にしても大学にしても　学生生活を謳歌してりゃ
　受験戦争時代の輝かしい武器は錆びちゃうんだ
　身をもって痛感したよ
　市立じゃなくて良かったと心のどこかで思ってる
　例え点数を稼いでも
　実際に大学でやる事はソレを遥かに凌駕するし
　数学や理科の実験が得意だから大学も楽しいはずだといえばそうも限らない
　進学してから暫くして　自分は本当に環境化学に触れたかったのかと頭を抱えた
　なんか懐かしいナァ


　六本木ヒルズとかをへし折って
　そこに馬鹿でかい樹を植えてみたいナァとか
　まぁそこまではいかないけれど
　何れ扱うであろうテーマが数多の靄を浄化する日が来ると
　まぁそんな夢物語を頭に思い描きながら研究室に居座っています
　アリエネー話だけどそういうののひとつ位持っていたほうが楽しいくない?
　でなきゃなんにしてもやっていけないわ
　ただ食っていくだけの人生なんて　生物何れ死す　だし
　俺は自由が利かなくなる老後のためだけに
　もっと言えばただ死を遅らせるためだけのために
　それだけのために動く気なんてさらさら無いね!

　行く先死しかない人生を遅らせたところで何になるんだ
　どんなに忙しかろうと楽しむ時間は作る気満々です
　今の時代ソレが難しいのはわかるけれど
　楽しみたいものは楽しみたい
　死ねといわれて死ぬ気は無い
　厳しい世界でも甘えられるように甘えられる次元は確保する

　言い聞かせるんだ　俺よ




　俺は悔いない
　思ってそうしたんだ　思ったのは俺だ
　失敗したらめげずに別の方法を試すんだ
　図太くならないとだめだよ　あの御方もそう言ってくれた

　まだ俺は生きています　みんな生きています